実はあなたもやっているかも!?歯ぎしりによるダメージから歯を守りましょう

眠っている間に歯ぎしりをしている方は想像以上に多く、自覚しているケースもあれば、まったく気づかずに過ごしている方も少なくありません。
「ギリギリと音を立てるもの」という印象が強い歯ぎしりですが、実際には音を伴わず、強く歯を食いしばるタイプも存在します。

どのタイプであっても、歯ぎしりの際にかかる負荷は時に体重を上回るほどとされており、それが毎晩繰り返されることで、歯や顎関節に深刻なダメージを与えることがあります。放置すれば、最終的に歯の破折や脱落に繋がることもあるため注意が必要です。

当院では、歯ぎしりによる口腔への悪影響を未然に防ぐための治療を行っています。思い当たる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

歯ぎしりをしているかどうかのセルフチェック

以下の項目のうち、1つでも該当する場合、歯ぎしりをしている疑いがあります。
複数該当する方は、より注意が必要です。

  • 歯に違和感があり、噛むと痛みを感じることがある
  • 冷たいものがしみるなど、知覚過敏の症状がある
  • 朝起きたとき、顎がだるく重い感じがする
  • 歯にヒビが入っているのを確認したことがある
  • 歯の噛み合わせ面が擦り減り、平らになっている
  • 口腔内の骨が一部大きく盛り上がっているように見える
  • 詰め物や被せ物が頻繁に外れる
  • 頬の内側や舌の側面に歯形のような跡がついている
  • 慢性的な頭痛や肩こり、首のこわばりがある
  • 無意識に上下の歯を噛み合わせていることが多い

歯ぎしりの原因

歯ぎしりの主な要因としては「ストレス」が広く知られていますが、実際には原因は1つに絞られておらず、複数の要員が絡み合って発生していると言われます。

現在までに指摘されている「歯ぎしりを引き起こしやすい因子」には、以下のようなものがあります。

  • 精神的・身体的ストレス
  • 噛み合わせのズレや不調和
  • 飲酒や喫煙習慣
  • 性格的傾向(緊張しやすい、完璧主義など)
  • 遺伝的な体質
  • 逆流性食道炎
  • 脳性麻痺など中枢神経に関わる疾患
  • 睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害
  • 一部の抗うつ薬の副作用

歯ぎしりを起こしやすい性格

性格的な特徴も、歯ぎしりの発症に一定の影響を及ぼすとされています。
特に以下のようなタイプの方は、歯ぎしりのリスクが高いと言われています。

  • 努力家で何事にも真剣に取り組む
  • 目標に向かって突き進む意志が強い
  • 完璧を求めて妥協しない
  • 強い競争心を持っている
  • 常に時間に追われ、せわしない生活を送っている
  • 攻撃的または自己主張が強い傾向がある
  • 感情やストレスをうまく発散できない

歯ぎしりが引き起こす悪影響

歯ぎしりは、歯そのものだけでなく、歯周組織や顎関節にまで過剰な負荷をかけ続けるため、放置することで様々なトラブルを引き起こします。
代表的な悪影響には以下のようなものがあります。

歯の異常なすり減り

上下の歯が擦れ合う状態が継続すると、歯の表面が平らになってしまいます。

歯周病の悪化

歯ぎしりによって歯に過剰な力が加わることで、歯周組織に炎症や損傷が起こりやすくなり、歯周病の悪化を招くリスクが高まります。

歯の破折

強い噛む力により、歯が割れたり欠けたりすることがあり、重度の場合は歯を失ってしまうこともあります。

知覚過敏症状

歯の根元に継続的な力がかかることで、セメント質が削れたり歯の根元がくびれたりし、冷たいものがしみる「知覚過敏」が生じることがあります。また、摩耗による象牙質の露出も原因の1つです。

顎関節症

咬筋や顎関節に過剰な負担が加わることで、顎の痛み・開口障害・関節音などを伴う顎関節症が起こりやすくなります。

エラが張る

慢性的な噛みしめが続くと、咬筋が過剰に発達し、エラが張った状態になることもあります。

歯科での歯ぎしりに対する治療

歯ぎしりは、明確な原因が特定されていない点から、「これさえ行えば治る」という確立された治療法が存在するわけではありません。
そのため、現在の歯科医療では、想定される原因への対処や筋肉の緊張緩和、そして歯や顎関節を保護することを主眼に置いた対症的な治療が行われています。

当院では、以下のような方法を用いて歯ぎしりに対応しています。

ナイトガード(マウスピース)

睡眠中に専用のマウスピースを装着することで、上下の歯が直接接触するのを防ぎ、歯や顎にかかる過剰な力を緩和します。
歯科領域で最も一般的かつ広く用いられている歯ぎしり対策です。

ボツリヌストキシン注射療法

咬筋にボツリヌストキシンを注射することで、過剰な筋肉の収縮を抑え、就寝中の強い噛みしめを和らげます。
顎関節症の改善や、歯や補綴物の破損予防にも有効で、場合によっては頭痛・肩こりの軽減、小顔効果も期待できます。

症状が重度の場合は、より専門的な治療が必要となることもあり、その際は適切な専門医への紹介を行っています。

自分でできる歯ぎしりへの対処法

歯ぎしりはストレスや生活習慣の影響を強く受けるため、日々の過ごし方や心身のケアも重要な対策になります。
以下のポイントを参考に、まずはご自身の生活を見直してみましょう。

ストレスを溜め込みすぎない

リラックスする時間を1日の中に少しでも持つことが、歯ぎしりの予防に繋がります。
特に就寝前にはリラックスできる環境づくりを意識しましょう。

日中に上下の歯をなるべく合わせない

起きている間、無意識に上下の歯を合わせる癖がある方は、それが夜間の歯ぎしりに繋がる可能性があります。
「歯と歯は接触しないのが正常な状態」であることを意識し、習慣的な食いしばりを防ぎましょう。

寝る前に自己暗示をする

眠りに入る直前、心の中で「歯ぎしりをしない」と繰り返すことで、脳に暗示をかけ、症状が軽減する場合があります。

アルコール、タバコは控えめに

飲酒や喫煙は、歯ぎしりの誘因となることがあるため、できる範囲で控えることをお勧めします。

高い枕を避ける

高すぎる枕は姿勢に影響を与え、歯ぎしりを誘発しやすくなる可能性があります。
なるべく自然な姿勢が保てる枕を選ぶようにしましょう。